貧乏くじ

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貧乏くじ
 「貧乏くじかもしれないが、緊急事態だから引き受ける」と宣言して総裁への流れができてしまった。日本国の最高権力者の座につくことが貧乏くじという意識では、座に着く前から先が思いやられてしまう。この椅子は転がり込んでくるものではなく、自ら取りに行く気概がなくては務まらないと思う。
 
 さて、前任者の退任挨拶のことをもう一度振り返ってみたい。病床で無念の思いに取り付かれているかと思うが、管理人があなたの立場ならならば、次のような辞を述べたと思う。「皆さんのご支援を受けて首相の座についたが、ここのところ体調不良で気力が衰えてきている。これ以上、このような状態で、この座についていることは、日本国全体にとってよろしくはないと判断して、この座を次の人にお任せしたいと考えた。わずか1年足らずでの退任となったが、これまでにご支持いただいた皆様方への感謝の気持ちを述べるとともに、このような形で座を去らなければならないことに申し訳けなく思っている。国民の皆さん、国会議員の皆さんに深くお詫び申し上げる。」

 予想されていたとはいえ、なぜ今かという唐突な辞任については、たとえ仮病を使ってでも体調不良をその理由とすれば、かなりの人々には納得できたはずである。巷間伝えられている遺産相続に絡む脱税疑惑、テロ特別措置法延長問題、度重なる閣僚の不祥事の任命責任、年金処理問題の不適切な対応、北朝鮮拉致について米国から見放されたこと、等々いろいろと指摘されているが、これらをすべて含めて自己の体調不良を前面に出すことを選択すべきであった。すべて退任の原因を他人のせいにしたり、謝罪の言葉すら出さないようでは、再起の道まで塞がってしまうことになる。