弁護士過剰

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弁護士失業
 弁護士白書によると、06年で2万2000人だった弁護士数は、10年後には倍以上の4万7000人になり、さらに、30年後には4倍以上の10万人を越えると予想され供給過剰が心配されている。新制度で2回目の試験合格者1800名が発表された。合格率は40--で、昨年の60--を下回った。来年度以降の合格率はさらに低下する見通しとなっている。
 
 法科大学院導入を決めた6年前は、将来の弁護士需要増を見込んでいた。企業や官庁が国際化などに対応するため弁護士不足が予想されていたからだ。ところが、その後の日弁連のアンケートでは、企業や官庁の求人は、5年間トータルでも最大200人余に過ぎないことが分かった。地方では募集をかけても希望者が集まりにくい状況だという。

2007年末に初めての法科大学院卒業生が1年間の司法修習を終える。修習生が前年の倍近く増えたため、就職が決まっていない人がまだ100人いる。日弁連では各法律事務所に対し、軒先を貸すだけから「ノキ弁」と呼ばれる独立採算弁護士の新採用形態をPRしている。給料をもらいながら勉強する従来の「イソ弁」とは違い、独力で仕事を取りながら勉強しなければならない。

 現在でも、信頼にたる弁護士は少なく、依頼人からの苦情が絶えないというのに、新制度で大量に資格を得る弁護士の質がこれ以上よくなる可能性は少ない。あるいはせいぜい、競争が激化して、信頼のできる一部の弁護士とそれ以外の駄目弁護士となるのかもしれない。法科大学院制度はスタートしたばかりで、早くも挫折の淵に立たされているようだ。米国にならって、法曹資格取得の門戸をさらに広げてしまう手もある。