MS社の敗北

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マイクロソフト社の敗北
 クローズド・システムというビジネスモデルで、パソコン業界を世界支配してきたマイクロソフトMS社がEUではそのモデルは独占禁止法に抵触するという厳しい判決を受けた。これはソフトの抱き合わせ販売で、欧州連合の競争法違反で欧州委員会から巨額の制裁金を科されていたことに対して、MS社が不服申し立てをしていた訴訟案件について、欧州第一裁判所がその申し立てを全面的に棄却したものである。裁判は2審制度で、MS社は最高裁に当たる欧州裁判所への上訴を検討している。
 
 OSのウインドウズと他のソフトを抱き合わせで販売することで、パソコンとネットの世界で覇権を確立したMS社であるが、このビジネスモデルに異議を立てられたら、後退を余儀なくされる。すぐ後にはオープン・システムをモデルとしたグーグル社の足音が迫ってきている。

MS社は米国では数年におよんだ裁判では、連邦地裁でMS社を2分割するとした判決が下ったが、これを不服としてマイクロソフトが控訴して、米連邦高裁で分割案は却下されている。反トラスト訴訟をほぼ無傷で切り抜けたものの、競合他社に対する補償金として約4600億円を支払ったほか、依然として裁判所の観察下にある。

 欧米でのMS社に対する独占禁止に関する動きから推察されることは、もはや、この世界では今後、MS社の独占支配の終焉を迎えているということである。ビル・ゲイツ氏もいつまで長者番付けのトップを続けていることができるか注目される。くしくも、グーグル社のブリン氏とページ氏が長者番付けの5位と6位に来たことが報じられている。この二人は来年になると2--3位あたりに位置されることであろう。