戦場のカメラマン

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戦場のカメラマン
 「虎穴にいらずんば虎児を得ず」という諺のとおり、写真家はその極限まで、身に危険が及ぶ真っ只中にいてこそ、スクープ映像が撮れる。その心境は想像することはできるが、その面白さに取り付かれたらブレーキがきかなくなるのであろう。もう亡くなってから50年以上は経過しているが、スペイン内戦やインドシナ戦争を取材して、最後はインドシナで倒れたロバート・キャパ氏、ベトナム戦争では澤田、岡村氏、まだ記憶に新しいところでは2004年にイラクで倒れた橋田氏など戦場カメラマンは枚挙に暇がない。

 ミャンマーサイゴンで銃弾に倒れた長井氏の映像を見ていて、倒れてからもカメラを構えているように見えたが、これぞ戦場のカメラマンというべきであろう。ご冥福を祈る。

ミャンマーには天然ガスや石油などの資源が豊かで、これを狙った国境を接する中国、インド、タイがその開発競争に参入している。欧米諸国は軍事独裁政権への経済制裁を強めてきたので、その経済は疲弊しているにも関わらず、国民総生産の半額にも達する膨大な軍事予算を組み、一部の軍部幹部とその利権を支える経済人の腐敗はその極に達し、経済政策の破綻が今回の騒動の原因であることは明らかであろう。

 日本は政府開発援助ODAにより、医療器材の供与など人道支援、学校建設、技術支援など国つくりへの援助を続けてきたが、果たして、どの程度にこの資金が有効に使われてきたのか疑問が残る。日本は援助実績があるのだから、国連を中心として、この国の安定化路線を構築する指導力を発揮するチャンスがきたのではないか。インド洋での海上給油よりもはるかに、日本が主体的に国際貢献できる問題である。