集団自決

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集団自決 教科書検定
 沖縄で旧日本軍が住民に集団自決を強制したとの記述を高校の日本史教科書から削除した検定結果に対して、沖縄県民からの反対運動を受けて、政府から県民の声を受け入れるべきとの方針が出されている。ここで問題とするべきことは二つあり、ひとつは自決強制の有無であり、もうひとつは教科書検定への政府の介入である。前者については、削除前の記述でいいと思うが、ここで論ずる事は避けておく。問題は後者のことで、政府筋からの介入は教科書検定制度の根幹を揺るがすことと考える。
 
 教科書検定調査審議会は非公開であるから、これまでにもあった家永訴訟を持ち出すことまでもなく、その透明性や独立性に疑問が出されてきている。それに輪をかけた今回の政府指示は、やはり教科書検定への時の政府の判断がありうることを示してしまった。

 また、今回の政府の動きは、先の参議院選挙での自民党敗北の結果から、次の選挙に対して、沖縄住民の方々の心を重く受け止めたとの、官房長官談話に如実に示されているように、いかにも福田政権は住民の民意を受け留めているとの配慮を示した方針であることを示している。このようないい加減な方針を出す政権を信用するに当たらない。

 最後にもう一言付け加えておけば、教科書検定制度はそろそろ廃止して、どの教科書を使うかは現場の教師に任せたらどうであろうか。こうすれば、教科書の内容について、近隣諸国から文句を言われることもなくなるし、検定制度に群がる文部科学省の役人や審議会の委員の先生方もすべて不要となり、多大な経費節減に貢献できる。

さらに、全国一律な同じような教科書で行われている現在の画一人間教育を排し、自由な教育で発想豊かな人材育成にも役に立つし、また、自由に教科書を作ることで、出版社の競争が促進されて、よりよい教科書は安く手に入れることが可能となる。国定教科書検定制度の廃止はいい事尽くめなのである。