延泊

http://iiaoki.jugem.jp/

平壌での延泊
 もう一晩、平壌にお泊りしてはどうですか、と北朝鮮の最高権力者に言われて、困惑した表情の南の大統領の顔が映されていた。その顔を見て、さらに、そんなことぐらい、大統領ご自身で決められないのですか、とたたみこまれて言われてしまい、気の毒なくらい狼狽する顔も映された。俺なら、そんなこと俺次第でどうにでもなるのだと、何と民主主義とは決断が遅く、意思決定が遅れることよと、南の体制をからかったようにも受け取れるシーンであった。
 
 古だぬきの北の独裁者が支持率凋落で残り任期の残り少ない南の大統領をからかったことを世界に見せ付けた場面であった。狸の頭の中には、何とかして金王朝をこのまま継続させて、あわよくば南もすべて頂戴してしまうことしか頭にはない。両首脳が署名した宣言には、朝鮮戦争終結などいろいろと盛り込まれたようだが、核問題も含めて、どれひとつとっても具体性のあるものはないものであった。

 相変わらず太陽政策で北への経済支援だけは、狸のご機嫌とりのために必要のようであり、南の大統領がお土産として贈られたのが、帰途の軍事境界線近くで差し出されたマツタケ4トンだけという寂しさであった。米朝関係もこのまま進むとは考えにくいし、拉致や核開発への制裁などとこれ以上言わなくて体制の自然崩壊を待つ他に日本としては打つ手はない。