組織は頭から腐る

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会社は頭から腐る
 大学を卒業してから、その組織に入り、営々と仕事をしてその組織のトップについた人はそれまでに身に付けてきた人事も含めた既得権益を否定できない。組織そのものよりも、自分の地位、立場、保身を第一に考えて経営をする傾向にあるからだ。この本のメインテーマは、指導者は毎日、自己否定を繰り返すことで、よりよい方向を見出していけるということである。これから日本がより発展していくための、数々の提案がなされているが、
 
 その中で、まず第一に過去の成功体験をいつまでも引きずらないことが挙げられている。すなわち、これまでに培ってきた既得権構造を否定することが提案されている。第二には、組織を強化する根源は、こまごまとした職務規定や指示命令などが重要ではなくて、目的意識を動機づけられた現場の人たちが、自発的な創意工夫や相互補完で臨機応変に目的を達成していく風土作りを強調している。

 第三に、本部とか本社のやるべきことは、必要最低限の人と的確な能力と動機付けを持つ人材を確保し、その役割と機能を明確にして、ひたすら何をやらなければいけないのかを整理する事とされている。徹底したリアリズムと冷静な優先順位付けの大切さががこの思想の根底にある。

 最後に、この本に対して、経営コンサルタント木村剛氏が自身のブログで次のように述べている。「私は、日本の経済力はすでにピークアウトしつつあると認識しています。未だに「日本--経済大国」という幻想の下で対症療法を繰り返しているようでは、いずれ大きなツケを払わされることになるでしょう。富山氏の表現を借りれば、日本は頭から腐っているのです。60歳以上の逃げ切り世代は、それでもよいのでしょうが、それ以下の世代にとっては、かなり厳しい時代がくると私は予感しています。」