松坂 頑張れ

実力主義の国 頑張れ松坂!
 試合後のクラブハウスで、ぼう然としていた様子を描写して「6年契約の年俸と入札額合計の1億ドルの投資は失敗に終わった」とか、8月15日以降、10度の登板で2勝5敗、防御率7.07の成績を表で紹介して「1億ドルの男はストライクを投げ、試合に勝ち、プレーオフの主役に値することを証明することができなかった」とか、「大リーグは試合数も多く、松坂は既に疲れてきってしまった」 などと期待を裏切った選手に対しては、日本ではあまり報道されていないが、痛烈な記事がアメリカの各紙に掲載されている。
 
 昔の名前が通用しない国では、過去の栄光は一顧だにされない。日本では誰も彼の野球に対する才能を疑う人はいない。一般的な言い方であるが、とかく才能がありすぎると、あまり努力しないでも、試験でもスポーツでも好成績を挙げることができるので、その才能をもっと磨こうとしなくなる傾向がある。

 ボストンへの移籍が決まったときにも指摘したが、彼の最大の欠点は投球のコントロールである。いくら速い球を投げても、投手の生命はストライクゾーンの僅かな内外の微妙な所に思うように投げ分けられるかにかかっている。日本の過去の名投手では、これができたのは稲尾投手ぐらいであろう。

 もう遅きに失しているが、今一度、ボストンの期待を裏切った人はこれに挑戦する価値はあると思う。これができなければ、来年の今頃はボストンの冷たい海に放り込まれてしまうであろう。プレーオフの最後にもう一度投げる機会がくるので、このときが正念場である。ここで失敗したら、ボストンの街を歩けなくなるかもしれない。
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