乱れた教育行政

ゆとり教育教科書検定
 ゆとり教育の見直しとか、歴史教科書の書き直しなど教育行政の一貫性のなさは、結局は国の荒廃を招くことにつながる。何故なら、子供たちはどんどん成長して、取り返しがつかないからである。中央教育審議会が「ゆとり教育」が行き詰まった原因を分析し、授業時間を減らしすぎたことへの反省を公表するという。すでに、小中学校での授業時間増など「脱ゆとり」の方針を決めているが、反省点を具体的に示すことで、方針転換の理由が学校現場に伝えることを狙っている。

 1996年に、それまでの詰め込み教育を転換して、思考力や表現力といった学力と、他人を思いやる心などを「生きる力」として提唱してきた。小中とも授業内容を3割削ったり、総授業時間数を1割近く減らしたりしたほか、教科を横断した学習で思考力などを身につける「総合学習の時間」の創設を盛り込んだ。

 しかし、この指導要領が実施した結果、授業時間の減少により、「基礎学力が低下した」、「子供の学習意欲の個人差が広がった」といった批判が相次いだ。ゆとり教育ではなくて、先生も生徒も「ゆるみ教育」となってしまった。文科省は今年度内に改定指導要領を告示し、2011年度から実施する予定という。 

 教科書の沖縄に関する記述書き直しは、もっとひどい話である。前政権が自虐史観を見直すといって、故意にこれまでの記述を改訂したが、猛烈な沖縄住民からの反対にあって、あえなく現政権は元の記述に戻すという。勝手に歴史を改ざんする罪と教科書に政権が関与した罪の二重の意味ででたらめな話である。

 戦後、文部省はさんざん教育行政を時の権力に阿って操作してきた。その結果、教師の質の低下、教室の破壊、学習塾や英語塾の氾濫、学童の犯罪の増加、セクハラ教師の横行、教室の犯罪などを招いた罪は大きい。そろそろ教育を文部省の手から奪い取って、金のかかる教科書検定を廃止し、教育はもっと自由にして、考える知恵のある子供たちを養成するするシステムに変える時が来ている。
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