読書週間を終えて

君と読みたい本がある
 読書週刊は終わった。表題は今年の読書週刊の標語である。2005年に文字・活字文化振興法が制定されて、国や地方自治体では公立図書館の整備など文字文化振興のための施策が策定されて実行されてきている。本を読むとか、文章を作るとかいう個人的な営みを何か国が先導するようなことはあまり好ましいこととは思わない。 


 しかし国や地方自治体が公立図書館の整備を進めて、活字離れや読書離れに歯止めをかけることは重要と思う。出版界や新聞社の代表、作家、財界人、国会議員などが呼びかけて今年は「文字・活字文化推進機構」という財団法人が設立された。こうなると、読書を通じての国語力の向上などという大義名分に隠れた、それぞれの懐の中に隠されている意図を類推したくなる。
 
 若者の活字離れが進んでいるというが、携帯などのモバイル機器の発達で活字とは言わないが、文字に接したり、文章を作る機会は増えているように思っている。普通の人がネット上の専用サイトに投稿した小説のうち、アクセスして人気の出た小説が出版されて売れている。上半期の文芸部門では上位10点のうち5点がケータイ小説、すなわち親指入力小説である。これは文学とは言わないとの批判もあるようだが、これも読書の一つの形態である。

 管理人の読書スタイルは、軟らかい本から専門書までいつも何冊の本を読みかけている。読みかけたままで終わってしまうものもあるが、いつの日か読み終えることとなる。専門書の場合は、今では必要なところしか目にすることがない。小説で読みかけの大作は、若いころかいつかは読もうと思っていたプルーストの「失われた時を求めて」である。文庫本で1万ページ近くあるが、現在はちょうど中間点ぐらいまで来ている。これだけに集中しているのではないので、あと数か月で読了することとなろう。退屈と言えば退屈な内容の小説ではあるが、何故か途中で投げ出すことがためらわれる不思議な本だ。

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