不毛地帯

不毛地帯
 防衛省の兵器調達に絡む事件が起きるたびに思い起こさせる小説が、山崎豊子著の「不毛地帯」である。この小説では、シベリア抑留帰りの元日本軍参謀が帰国後、総合商社の幹部として、激烈な武器輸入にからむ国際商戦を生き抜く物語で、暗い戦争体験を背負った孤独な男の不毛な戦いを描き出している。
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 話のもとは岸内閣時代の戦闘機の機種選定にかかわることで、航空自衛隊の専門家が出した結論よりも、政治資金調達に役に立つかどうかの政治家の判断の方が上位にある筋立てとなっている。この裏では、対立する総合商社などを通じて巨額の黒い金が動いたであろうと推測されている。

 この小説の連載中にも、1976年には旅客機機種選定にかかわるロッキード事件が起きて、田中首相が受託収賄罪に問われて失脚した。なお、小説の主人公は先日亡くなった瀬島龍三氏がモデルである。

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