日本の住宅ローン

日本の住宅ローン
 米国発のサブプライムローンという魔物が世界中を駆け巡っている。この市場から引き揚げたファンドマネーがオイル市場に流れて原油価格の上昇をもたらしている。ところで日本の住宅ローンについてはどんな問題があるのか、何人かの評論家のページをのぞいてみたが、素人には分かりにくい。現在、推定したところ日本の住宅ローン残高は200兆円弱という値である。米国のサブプライムローン残高が160兆円と言われているから、これよりも大きい。しかし、借り手はある程度は収入が保証されているサラリーマンが大部分であるから、今すぐ何かが起こることはないようだ。
 
 心配なことは今の低金利がどのように上昇していくかにかかっている。借り手の35%の人が物価に応じて変化する変動金利に頼っている。さらに、固定金利選択型といって2~3年後には変動金利に移るシステムを利用している人が40--近くいる。合わせて75%のローン借り手は変動金利を選択している。つい最近もローン金利が0.25--上昇して、ここ10年では最高の2.875--になっている。

 デフレ状態が続く限りは金利の上昇はないが、ゼロ金利政策をいつまでも続けることはないので、いずれは金利上昇の局面が予想される。ファイナンスの考え方からすると、いま無理して収入の5~10倍ものアパートや住宅を購入することは適切とは言えないであろう。日本の銀行は建設業者とタイアップして住宅ローンを強力に進めているが、これは要するに銀行にとっておいしい話であるからと思われる。
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