コソボ独立

コソボ独立問題
 バルカン半島は世界の火薬庫とも歴史的に言われてきている。第一次世界大戦の端緒もここのセルビアでの事件がきっかけであったし、第二次大戦でも様々な戦いが繰り広げられてきた。セルビアコソボ自治州イスラム系のアルバニア人が8割を超えていて、ユーゴスラビアが解体してのち、スラブ系国家のセルビアからの独立を目指していた。


 調停に入った国連が暫定統治をしていたが、セルビア自治州間の協議の仲介役を務めた米国、ロシア、欧州連合国連事務総長に「協議は合意に達しなかった」と報告書を提出した。事務総長が定めた交渉期限までに歩み寄りがなかったことで、自治州が2008年1月にも一方的に独立宣言を行うのは確実となった。

 国連安全保障理事会では独立を事実上認める決議案を出しているが、セルビア側につくロシアの反対で採決されていない。独立を主張する自治州と、これを拒否するセルビア側の溝が埋まらない。

 東欧に配置される計画の米国のミサイル防衛施設とコソボの独立問題の二つは、ロシアにとっては譲ることのできない赤い線と言われている。一見関係ないように思えるが、ミサイル防衛地域には、ロシアは南オセチアアブハジアなどロシアからの分離独立を狙っている民族がいる。これらの民族はコソボの独立に重大な関心を寄せている。だからロシアとしても譲れないのだ。この対立関係がこじれて、21世紀の新冷戦勃発となることを恐れる。
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