英連邦首脳会議

英連邦首脳会議 日本の孤立化
 27カ国となった欧州連合とは別に、世界では歴史のあるASEANなどをはじめ、様々な諸国連合が動き出している。これまでにも英連邦首脳会議、フランス語圏首脳会議--52カ国--、ポルトガル諸国共同体--8カ国--など旧植民地主体のものもある。なかでも、英国と旧植民地、旧自治領の国家連合である英連邦は53カ国が加盟して総人口は約20億人に達し、いまだにその結束力を誇っている。


 日本では鎖国時代であった18世紀以降、海洋国家である英国は地球上の各地で領土を拡張した。19世紀には中国やインドにも進出し、大英帝国は陽の沈まない国と言われていた。

 4年ごとに開かれている英連邦首脳会議は先日、アフリカのウガンダで開かれ、参列したエリザベス女王は参加した各国から暖かく歓迎されたという。またブラウン英国首相はあたかもホスト役のような役割をこなして、まるで大英帝国が復活したような光景と報道されている。

 こうした背景には英国の旧植民地では「君臨すれども統治せず」という原則で、一部には奴隷貿易や強制労働などもあったが、植民地支配の特徴である搾取や悪行にはあまり手をつけてはいなかったことがある。いまでも16の国が国家元首として英国女王をいただいている。

 さらには、英国は国防費の10%近くは加盟国への援助にあてている。英国にとっては英連邦を維持することは国益を実現する場となっている。英連邦への加盟条件としては、英国との関係というよりは、加盟国間の関係というように変えてきている。だから、これまでは英連邦とは関係のなかった国まで参加したいとの申し出があるようだ。

 いつまでたっても島国から抜け出せない構想力のない日本は、日米同盟だけを唯一の拠り所として来ているが、そろそろ米国も台頭する中国やインドなどの新興勢力との関係強化に乗り出していることは明らかだ。このままでは日本は世界の孤児となる恐れが出てきている。世界の中での日本の生きる道を描ける構想力のある指導者が出てくることを期待したい。昔の日英同盟のよしみで英連邦に加盟させてもらうのも一つの手であるか。
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