謝罪会見

謝罪会見
 企業、スポーツ界、芸能界、政界にわたり今年は特に謝罪会見が多かったような気がしている。霞ヶ関の官界からのものは一つもないないということはさすがというべきであろう。日本のシステムは官僚社会で保っているのであるから、これを牛耳る官僚が仕事で不手際を起こしたからと言って、いちいち国民に頭を下げる事態になったらそれこそ終わりである。


 それにしても官僚のしぶとさ、したたかさは相当のものである。国会の答弁で、厚生労働大臣社会保険庁のなくなる2年後までには、年金問題を終わらせるとまた公約したが、ミスター年金の再三にわたる質問に対して、現長官は「大臣の指示に従って仕事をする」とだけしか答えないで、絶対に2年で終わらせるとは言わなかった。

 大臣辞任要求が上がっている舛添要一厚労相は「社会保険庁の対応のひどさはおわびしなければならない」と連日の低姿勢であるのに対して、首相は「参院選の公約違反というほど、大げさなものかな」とした自らの発言について「正直言って公約が頭にさっと思い浮かばなかった」と釈明した。「こんないい加減なことを言うから今年の世相を表す漢字が偽なんじゃないですか」と民主党議員からたたみかけられると顔色を失った。

 首相も厚生労働大臣も、ついでに官房長官年金問題や薬害肝炎問題では不祥事を起こした企業の幹部と同じように、さっさと謝罪会見を開いて頭を下げたほうが支持率を下げないですむ。これでもって、今年の最後の締めくくりの会見としてもらいたい。もう来年には持ち越さないほうがいい。
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