問題解決国家

問題解決先進国の国際貢献
 環境、エネルギー、資源、住宅、医療、教育、少子化高齢化社会など多くの課題を抱えている日本であるが、これらの課題の解決方法を見出すことで、新しい社会システムを構築していくことができる。また創造した解決方法や技術手段は世界の国々へ移植することができる。これこそ日本が取り組める金を稼ぎながらの平和的な国際貢献の在り方である。
 
 日本の高度成長期の末期である1980年ごろでは、21世紀は日本の世紀であるとまで、ハーバード大学のフォーゲル先生に煽てられたが、今から思えば、これこそ欧米が仕掛けた最初の罠だったと思う。その後、金融システムと国際標準という二つの罠が仕掛けられて、1980年代末には株価が崩壊して、長く深い経済の谷底に日本は落とされた。

 今となってみると、これは太平洋戦争で敗北したことに次ぐ第二の敗北なのである。1945年の第一の敗北以降、日本は経済大国第2位の国にまで成長することができた。これと同じように、1990年の第二の敗北を経験して、日本は経済大国とは違った方式で新たな光を見出していくことが期待されている。それは問題解決大国として国際的に貢献できる道である。

 先に述べたように、日本は多くの課題を抱えているが、長寿命化、エネルギー効率の高さ、産業の省エネ推進、生産管理システム、開発機器効率の良さ、厳しい環境規制、ソフトなど独自の文化の発展を含めて第二の敗北以降、多くの技術やシステムを生み出してきた。これらの問題に対しては、先進国の中でも日本が先頭を切っている分野も多く、中国やインドなどの発展途上国へ輸出することができることは勿論、欧米の先進諸国へも貢献できるのである。

 手始めに、小宮山先生が主張しているように、この100年間で1000倍くらいに増えた知識や技術を集結して、有効活用するシステムを構築していかなければならない。問題は規模が大きくて複雑であるが、手にしている知を結集して、あるいは足らないところは新たに開発して問題解決の仕組みをシステム化していく。

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