年金ズサンの深い闇

年金杜撰(ズサン--の深い闇
 消えた5000万件の年金記録よりも、もっとたちの悪いことだと思うのが給与記録の改竄--カイザン--であろう。社会保険庁の職員が意図的に、企業に不正をするように率先して指南していたという。年金の徴収率を上げるために、企業側の年金負担分を軽くして、企業が年金を支払いやすいようにしていたことだ。これは要するに個人の給与を実際よりも安く届けることで行われていたという。この処置をされた個人は当然に、受け取るべき年金が低くなるが、実際に年金が支払われるのは先のことだから、どうにでもなると考えていたようだ。
 
 このような不正はさすがに大企業ではありえないことだが、大企業でも厚生年金の一部を企業が代行して運用していたところでは、改ざんが行われていたという。平成不況でこの運用に行き詰まる企業は、2002年から国に代行返上ができるようになった。この時に、会社側が管理していたデータと社会保険庁のデータの食い違いがいろいろと出てきたが、この処理を早く済ませたい企業側では社保庁の記録に合わせて改竄したという。

 ついでに年金特別便のはがきであるが、1億人の年金加入者と受給者に納付記録情報を送るものである。何か問い合わせをしたところで、そのことが確実に年金受給に反映されるのかどうか不明である。このシステムも結局100億円もの金を投じて、返事がなければたとえ何かおかしくてもこれで終わり、返事を出しても、おそらくその回答はなしのつぶてで終わるような気がしている。要するに、年金特別便は厚生労働省が年金免罪符の代わりにするつもりであろう。
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