もはや経済は一流ではない

もはや経済は一流ではない
 1956年の経済白書で「もはや戦後ではない」とうたわれた言葉に準--ナゾラ--えて、通常国会の開幕演説で経済財政担当相が発言した言葉だ。56年から25年たった1981年には「21世紀は日本の世紀」というタイトルの書物がハーバード大学のある教授が出版して、「もはや欧米から学ぶことはない」などと嘯--ウソブ--いていた人も多かった。


 その当時、流行った言葉として「政治は三流、経済は一流」というのも記憶に新しい。三流の政治から一流の経済が生まれるはずがないと思っていたが、その後の日本国の流れはその通りになっていった。物づくりの象徴である製造業だけが一流であって、経済や金融政策を含めた経済が一流とは言えなかったはずだ。

 だから今回、経済が専門という三流の政治家が未だに「これまでは経済が一流であった」かのような認識を披露したことには驚いてしまった。経済が一流であったならば、1980年代後半にバブル経済を煽りたて、90年代初頭にバブルを破裂させたり、その後の政治と経済運営無策で平成不況という長いどん底状態に日本を落とし込むはずは無かったと考えている。

 結果は800兆円にも達する財政赤字を残し、2011年には達成するはずの基礎的財政収支すら守れず、所得格差を増大させ、自殺者が毎年3万人を超え、少子化社会を作り、今だに株価が低迷していることとなっている。頼みの製造業ですら、国際的な感覚に優れたところは見当たらない。新年早々にあまり暗いことばかり考えないで、明るく楽観的なことを考えるように努力していきたい。
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