都市型鉱脈

都市型鉱脈
 鉄鋼の生産量は日本で1年に1億トンであり、そのうち60%は国内で消費されているから、毎年6000万トンもの鉄が国内に蓄積されてきている。鉄とははるかに量的規模は小さいが、質的規模の高い貴金属やレアアース金属の蓄積量も相当な量になると予想されていたが、このたびその調査結果が報告されている。


 これによると、家電や電子機器類に含まれる金や銀などの金属資源の国内総量は各国の天然資源量を上回る世界最大の規模に匹敵するとのことが判明したという。素材や製品として輸出入される金属20種類についての貿易データなどを分析し、国内に蓄積されている金属資源量を割り出した。

 金は6800トンで世界の埋蔵量の16--に相当し、延べ板に換算すると約20兆円分になる。銀は6万トン、インジウムは1700トンで、それぞれ世界の埋蔵量の23--、61--に及ぶことがわかった。各国の鉱山の埋蔵量と比べると、金については南アフリカを抜いてトップになり、銀や鉛、インジウムも世界一になっている。

 日本は資源小国と言われてきたが、これらの希少金属については資源国であることを示した。金属資源枯渇が懸念されるなかで、有効利用と回収技術の開発を駆使すれば、日本国内に巨大な鉱山を保有していることとなる。

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