サブプライムのこと

サブプライムの行方
 年明けの株式相場はNY、東京とも大きく下げている。米国では28日の大統領一般教書で景気対策について演説の予定を繰り上げて、中東訪問から帰国してすぐに総額10兆円超の景気対策を発表をしたが、市場では想定内ということで、いま一つ反応が鈍い。さらに、30日にはFRBが現行4.25%の短期金利指標であるFF金利を最低でも0.5%引き下げると推測されている。

 おそらく、景気対策と金融政策の二つの手を打っても、現在の状況を切り開く奥の手とはならないであろう。それほどに、住宅ローン問題は深い闇に閉ざされているらしい。FFは年末には2%台にまで切り下げられるとも予測されている。

 ダウ平均株価よりも、さらに値を下げている日経平均株価であるが、これに対して政府も日銀も相変わらず反応は鈍く、先日の月例経済報告では、景気回復局面がまる6年に達していると判断している。経済財政相が一人で「危機感からスタートしたい」などと述べても、完全に閣内では浮いてしまっている。自民党政府としては支持率の低下や総選挙対策で、景気の先行きに不安を起こす発言は禁じ手のようである。

 退職金で日本株に投資している団塊の世代の方々はどうすればいいのであろうか。差しあたってすぐに現金が必要でない場合は、現在の嵐が過ぎ去るまでシェルターに避難して、時々、落ちてきたおいしそうな果実を拾うのも一つの手であろう。

 また、円高を利用して、海外旅行を楽しむ手もありうる。日本を見捨てて、海外の株式や投信に転向する人もだいぶ増えているようだ。それぞれの状況でリスクをどの程度に取れるかを見極めて、各自の方向を選択する以外には手はない。

http://iiaoki.jugem.jp/