住宅ローンの日米の違い

住宅ローンの違い
 住宅ローンは毎月必ず返済をするのは当たり前とほとんどの日本人は思っている。数十年間にわたり月々の返済は一度たりとも滞ってはならない。欧米の標準では「ローンの返済をしなくても、家を返せば完済となる」仕組みで、これはノン・リコース・ローン--non recourse loan--と呼ばれている。返済できなくなったら、家が質流れになるだけである。それですべて終わるから、ローン返済ができなくなれば、家を出ていくだけで、その家の価値が下がっていても、差額を追及されることはない。


 アメリカは州ごとに法律が制定されているが、CA州などでは返済の強制は違法になる。法律の規定がない州でも家の売却代金だけでは足りないからといって、銀行が必死に取り立てをすることは許されない。

 日本では家の価格が暴落しても、地震で倒壊しても、ローン残金がなくなるまでついて回る。欧米では貸し手の銀行が住宅の価格変動リスクを背負っているから、住宅には火災保険や地震保険などへの加入が必須となる。わが国の住宅ローン審査ではとにかく借り手の定収入が決め手となる。また借り手の返済能力を担保するために生命保険や保証人が要求される。

 ローンを組んだら、墓場までも追いかけてくる。借り手--消費者--に厳しく、貸し手--銀行--に有利なのが日本の住宅ローンだ。政府もグローバル化を唱えるのだったら、日本式住宅ローンの仕組みを国際標準に変えるべきだと思う。
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