南京大虐殺記念館

南京大虐殺記念館
 10年ほど前に南京市を訪問した時に旧館を訪れたことがあるが、昨年12月に敷地面積を元の3倍以上にして、世界遺産への登録をクリアできる面積としたようだ。聞くところによると、新館では元の展示内容からの印象では、いわゆる反日展示が10倍ほどにも拡張されているとのことである。


 パンフレットには「恨みや憎しみを植え付けるのが目的ではない」と館長の言葉が記載されてはいるが、この言葉とは裏腹に、愛国主義教育模範基地として反日世論を喚起して、アウシュビッツや広島と同様に負の文化遺産として世界的な認知を得ようとしていることがうかがえる気がする。

 すでに世界遺産として登録されているアウシュビッツ強制収容所広島平和記念公園原爆ドームを訪問したことのある人は理解していることと思うが、人類の愚かな行為を後世に伝えることが主眼とされている。だから客観的な歴史的事実がたんたんと展示されているだけで、ドイツやアメリカに対する感情的な敵対意識はほとんど感じることはできない。

 南京の新記念館を見てはいないので、想像でものをいうことは慎まなければならないが、歴史問題を一党独裁に伴う貧富の格差や政治腐敗などの社会矛盾を隠ぺいすることに利用する姿勢は許しがたいことであるし、ユネスコがそのような政治的意図を全面に出したものを世界遺産として認定することもないと思う。
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