日本経済のもろさ

日本経済の脆さのもと
 ウォールストリートはマンハッタン島の南に位置する東西に走る狭い道である。この中ごろの一角にNY証券取引所がある。ここのダウ平均株価が5%降下すると、日経平均株価はその2倍から3倍も降下する。何が原因でこのように増幅された波が日本に来るのであろうか。
 
 2002年当初から日本経済はいざなぎ景気を越えて、第二次世界大戦後最長の景気回復が続いていると言われている。いざなぎ景気とは1965年からオイルショックの1970年にかけて5年近く続いた好景気のことを指している。

 大多数の国民には実感が乏しい景気回復であるが、この原因は日銀の超低金利政策で円安を誘導して、ひたすら日本製品の輸出拡大をしてきただけのことであろう。おもに輸出で利益を上げてきた大企業は国際競争力強化のために、構造改革の美名に便乗して、正規雇用を減らし、社会保障などのセイフティネットを破り、地域格差を拡大してしまった。

 そのために国内での自動車販売の停滞に典型的に表れているように、個人消費の伸びがなくなり、内需が落ち込んだままデフレ状況からの脱出すらできていない。このまま米国の景気減速が続くと、やがて米国に頼っている中国やインドにも波が及び、輸出に頼る日本経済の脆さが広がってしまう恐れがある。

 日本経済の足元を強くするには個人消費の拡大以外にはないように思っている。放置すれば景気後退下の物価高となってしまう。1980年代後半に土地バブルに踊った日本は、2000年代前半に改革バブルに踊っていたような気がしている。
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