国策捜査

国策捜査について
 あまり明確な定義が見当たらないが、国策捜査とは国家が自己保存の本能に基づいて、検察を道具にして政治事件を作り出すことのようだ。冤罪事件とは異なり、初めから特定の人物を断罪することを想定して、捜査が始まるので、ほとんどの場合、無罪となることはありえない。いったん標的とされたら、検察当局が用意してある蟻地獄という双六の上がりに落ち込むようになる。
 
 検察庁の職員は全国に約1万人強--そのうち検察官は2000人ほどである。主として国策捜査を担当する東京地検特捜部は検察官38人と検察事務官84人で構成されている。特捜部の38人は検察官の中でもエリートといえる。

 国策捜査は時代のけじめをつけるために行われると言われている。時代の流れを変えるために、何か象徴的な事件を作り出してそれを断罪するものという。ライブドアのH氏が逮捕される前に、特捜部に新たに就任した部長が「額に汗して働く人を尊重する気風が大切」みたいなことをコメントしていたことが思い出される。

別にH氏が無罪だと言っているわけではななくて、経営者の中にはこの程度のことをしている人は探せば必ずいるはずだ。H氏という時代の寵児を逮捕することで、金に走りすぎる風潮を戒めることには相応しいものと判断されたのであろう。

 国策捜査では特捜部はメンツにかけてでも逮捕したものを有罪に仕立てていく。冤罪をするのではなくて、ハードルを下げれば、引っかかってくる罪が出てくるので、それをうまくつかむのが特捜部検事の腕の見せどころのようだ。最近の事件では、ロシアに関係する鈴木宗男氏の事件、事務所経費に関する山本譲司氏の事件、公認会計士粉飾決算事件、元検事の手形詐欺事件など、この国策捜査に該当すると思われる。それぞれ逮捕された者の関係者または当人から書物が出版されている。

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