自衛隊の守るべきもの

自衛隊の守るべきもの
 建造費1400億円で最新鋭レーダー設備を備えたイージス艦「あたご」が千葉県沖でマグロはえ縄漁船をはね、乗組員親子が行方不明となっている。「あたご」の事故回避措置が不十分だったとして、海上衝突予防法違反の疑いが出ている。防衛大臣へ事故報告が発生から90分後、首相への連絡は発生から2時間経過していたことから、防衛省の危機管理体制が問題視されている。


 今更、防衛省改革推進チームを発足させても手遅れである。20年前の潜水艦なだしお事件以来、防衛庁は数々の不祥事を続けてきている。前次官のことをはじめ、防衛省になってからますますその増長ぶりはひどくなっているようだ。今回の事故の報告の経緯を見ていると、真実を隠すためのその虚偽の作り方、報告の出し惜しみ、なんとか取り繕うとするやり方など、さすがに防衛大臣も国会で「適切ではなかった」と謝らざるをえなかった。

 こうまでウソで固めて真実を隠そうということが露呈しては、防衛大臣の辞任は避けられないだろう。防衛庁に限らず、霞ヶ関の役人は何とかその場を取り繕うすべを心得ている。税金を使って国民の生命と財産を守る立場にいる人たちが、自分たちの立場とを守ることに汲々としている姿は醜いものである。自衛隊の自の字は日本国のことであった、防衛省のことではない。
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