平成20年度予算案

平成20年度予算案
 与党単独で衆議院本会議で採決した。1998年の竹下内閣以来のことである。難問山積の中での強行採決では、野党の支配する参議院での審議の難航が予想される。予算案は憲法60条に規定により衆院議決優先で年度内成立の目処が立ったが、暫定税率法案他はそうはいかない。この強行採決で先の両院議長の斡旋案も無効となるので、このママでは年度内成立は難しくなった。


 10年前に強行採決した竹下内閣はリクルート汚職まみれで、退陣表明、秘書の自殺、衆院議長の辞任と尾を引いた。強行採決には過去、このような悪夢が伴っている。ねじれ国会、年金問題処理、薬害肝炎訴訟、株価下落、毒餃子事件、イージス艦の漁船はねあげ事件、それに伴う防衛省の虚偽報告、沖縄でのレープ事件など悪夢が相続いている。

 ことの発端はすべて前首相の政権放棄から始まった。首相は就任当初、自分が積極的に政権の座に就いたことではなくて「貧乏くじかもしれないけどね」と自嘲気味に語っていたことが思い出される。今では「しれないけれど」ではなくて「貧乏くじ」そのものだったと思っているかもしれない。しかしながら、まだ遅くはない。貧乏くじを跳ね返すだけの首相としての品格と格式を発揮するときに来ている。

 何となくいやいやながら国会で答弁するのではなく、もっと胸を張り、堂々と自己の考え方を述べることで、この窮地から脱することができる。何で今頃、イージス艦やレープ事件を起こしてくれるのだと「何てことをしでかしてくれるのだ」との迷惑そうに思っていることが、首相の言動にはありありと出ている。これでは国民は救われない。
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