中国の論理

中国の論理
 進出している日本の企業は、いつ何が起こるか不安を持っているところが多いときく。ある日、突如に会社が乗っ取られてしまう恐れすらあるという。普通の民主主義が通用している国とは違って、何だかわからない要素が多いと思われている。写真を写すことに熱中していると、旅行者でも注意していないと、突如検束される危険もある。もしかして撮影禁止の被写体にレンズを向けている可能性があるからだ。
 
 前日まで双方の捜査当局が協力し合って、真相の解明にあたろうと約束していたはずであるが、翌日になると態度が豹変することすらある。答えのカギはすべて、現在の共産党独裁体制の維持と強化にあるのであろう。外交問題はすべて内政問題に直結しているから、対外的には風向きが悪くても、そのまま非を認めれば、直ちに内から弱腰政府を非難する声が出てくる。それほどに、中国政府はその権力の維持に気を使っていることにる。

 先日、北京で開かれた中国全国人民代表会議(全人代)では、「複数政党を持つ国でも社会が安定しているところはない」、「いまの政治体制は中国の国情に合っている」、「何年たっても共産党の指導は続く」など民衆の不満を恐れるようになった政権が独裁維持のために内部団結の輪を確認する場となっている。

 インド側でチベットに対す政策や五輪開催反対のデモがあった直後に、時を同じくして、中国チベット自治区のラサでは大規模な暴動が発生したと報じられている。北京駐在の米国の大使は中国政府に直ちに、チベット文化や多民族性を尊重すべきと伝えて、武力行使の自制を要請したという。

 中国に対して弱腰の日本政府には、何もできないうちに、2005年4月の北京や上海での反日デモと同じように、餃子事件でも、悪いのは日本側で、いつまでも騒いでいるとお困りになるのは日本ですよと言われているようなものである。中国の論理の背景を考えれば、何事に対しても答えは簡単に出てくる。
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