台湾総統選挙

台湾総統選挙
 米国大統領選挙に目を奪われている間に、世界のリーダーが次々と若返っていく中で、ロシア、韓国に続いて台湾の総統選挙が近づいている。アジアの火薬庫である朝鮮半島と中台関係で首脳が交代していくことで、新しい関係が構築されていくので、日本も注目しておかなければならない。中国も次期主席が浮上してきているが、基本的には北朝鮮と同様に共産党独裁政権が変わるわけではない。
 
 50年以上にわたる外省人の国民党支配が、政権内部の腐敗で本省人からなる民進党に政権が移ったのが8年前のことである。台湾独立を目指していた民進党総統であったが、政権末期では自らの近親者から汚職を出して急速に支持を失ってしまった。4年前の選挙でも再選が難しかったが、投票直前に総統銃撃事件が起きて、僅かの差で民進党は勝利をつかんだ。この銃撃事件は起死回生の自作自演ではなかったとの疑惑が今でも続いている。

 今回の選挙では現政権の汚職と経済の疲弊で、ハーバード大学出身者を党首においた国民党有利と言われている。独立には反対し、対中国融和政策を旗印としているこの党が政権を奪還すれば、一つの中国を共有しながら、経済交流を中心とした対話の復活が予想されている。

 外省人すなわち中国人か、本省人すなわち台湾人かの意識の問題がこれまでの選挙では、かなりの重さを占めていたが、時代が変わり、世代が交代して、今では台湾への帰属意識そのものが選挙での争点にはなりにくくなってきている。すでに、中国本土へ出ている台湾の企業が75000社となり、今のような鎖国状態を続けることは経済的にも不可能なこととなっている。

 いつのことかは分からないが、いずれは香港と同じように1国2制度で中台統一の時代が来るものと思われる。台湾のことは朝鮮半島ともに東アジア情勢の安定に欠かすことのできないものであり、今回の選挙は今後の中台関係を占う第一歩である。
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