知られざるチベット

知られざるチベット西蔵
 チベットは世界の屋根と呼ばれ、チベット語では神の土地を意味している。首都ラサは富士山の山頂に近い海抜3700メートルにあり、自治区全体の平均海抜は4000メートルを超えている。ネパールの北側と中国の四川省の間で、面積は朝鮮半島の6倍もある大国である。

 荒涼としたこの山岳地帯の占める大地を中国が手放したくない理由は未開発の鉱物資源と言われている。ダイヤモンド、マグネシウム、鉄、石炭、クロム、ウランなど30種類以上の埋蔵が確認されており、宝の山として経済的価値が極めて高い自治州である。

 天然資源獲得にことのほか熱心な中国はチベット北朝鮮の開発を譲るわけにはいかない。2006年7月に開通した青蔵鉄路の沿線ではすでにスズ、鉛、亜鉛の大規模な鉱脈が新たに発見されている。地下資源だけでなく森林、水資源、太陽熱などが未開発の状態で残されている。軍事戦略的にも、高原の地理的特性から兵器の配備や開発に適している。

 すでに原子力研究の中心的な研究機関もチベット北東部に拠点を構えている。インドとの衝突を防ぐ緩衝地帯として、軍事的にも中国政府が決して放棄できない地域なのだ。チベットはこのように経済的、軍事的価値が高い上に、ウイグル族など他の少数民族の分離独立の抑えとしても、中国政府は譲ることのできない砦である。
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