戦後最大の危機

戦後最大の危機
 グリーンスパンFRB議長が英国の新聞に寄稿して、世界経済の現在の状況について、第2次世界大戦以来、最悪になる恐れがあると表明している。米国のサブプライムローンについて、自分でも当初は推奨しておきながら、ずいぶん勝手な言い方だと思う。こういうように発言することで、自分は全く関係ない部外者だと装っているようにも見える。現在のFRB議長が苦々しく、この言い草を見ていることが想像できる。
 
 アメリカのメディアでは、この問題の戦犯として彼の名前が挙げられている。2000年にITバブルが崩壊して、資金が株式から不動産へ移ったことに問題の発端があった。その当時、住宅ローンは大手銀行の関連金融機関によるリスクの多い住宅融資だという指摘や、サブプライムローンの貸し手に規範を課し、外部監査を義務付けるという提案がFRBの他の理事から出されたが、議長は全く耳を貸そうとしなかったし、むしろ、住宅ローンを推進することに熱を入れていたともいう。

 昨年5月にも、中国株について「いずれ劇的な収縮が起きるだろう。持続できないのは明らかだ」と発言して、加熱する中国株に警鐘を鳴らして、本格的な調整局面が訪れるとの見方を示した。グリーンスパン氏ともあろう人がどうしてこのような分かり切った発言をしたのであろうか。その真意を疑いたくなる。何故ならば、株価が上がり続けることはなく、必ずバブルのように崩壊して株価が下落に転じることは株式市場の常識である。

このような当たり前のことを、彼のような影響力のある人物が、いまは気楽な立場で口を滑らしただけとすれば、罪作りなことである。ウォール街には「相場は絶望の中で芽生え、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、恍惚感の中で消えていく」という言葉が伝わっている。
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