起死回生の一打

起死回生の一打
 株価下落に比例して、内閣支持率も低下して30%を切る危険域に入ってきた。「野党が何を考えているのか分からない。こんな状態で私は大変に心配しています」とまるで、どこかのご隠居さんみたいなボヤキや愚痴をこぼす首相を支持しろという方がおかしい。日銀総裁人事に続いて、ガソリン税をめぐる与野党攻防の天王山が近づいている。


 与党は今頃になって、泥縄式にあわてて税率維持を含む修正案を提示している。民主党暫定税率を廃止して道路財源を一般化して国の仕組みを変える世直しを主張している。ここにきていまさら、与党案に妥協して歩み寄ったら、民主党は滅亡する道しか残っていないであろう。

 このまま4月を迎えたら、歳入が2兆6000億円も減って予算が組めないとか、ガソリン価格ではスタンドで大混乱が起こるとか脅しをかけている。多少の混乱は予想できるが、ここは日本の基本システムを変更する痛みが出る程度と思われる。

 政府与党に残されている最後の起死回生の一手は、民主党案をそっくり飲み込むことである。こうすると、最も困るのは小沢民主党となる。振り上げたこぶしの下ろすところがなくなってしまう。これに対して、政府は支持率が回復し、自公連立政権は安泰となる。

 思い起こせば10年前の金融国家で、政府与党は野党の金融再生法を丸のみして、金融危機を救済した。これで小渕内閣は息を吹き返した事例がある。野党はいいとこだけを取り上げられて、その後の低迷期に陥ってしまった。
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