文部科学省の汚職

文部科学省のたかり役人
 昨年、収賄容疑で逮捕された防衛省事務次官のたかり体質は、個人的なことと思っていたが、同じような体質の高級官僚が文科省にもいて、大手建設会社の関連会社に便宜をはかったことにより謝礼や接待を受けていたことで逮捕された。しかもその当人は、現在は国立の沼津工業高専の学校長に天下っているというから驚いてしまう。
 
 東北大学工学部出身のキャリア官僚で、学校長になる前は国立の文教施設の建設や整備を統括する企画部長の職にあった。科学技術基本計画に基づく国立大学の施設整備計画で、扱う予算は5ヵ年計画で約1.5兆円というから、この予算の配分では絶大な権力の頂点にいた人物である。

 国土交通省の道路族と同じように、文部科学省には文教族がおり、道路族ほどに派手さはないが、全国の国立大学と国立高専など200校近くがその傘下の組織としてある巨大な利権集団である。その上に、短大も合わせて700校にもなる私立大学に対しても補助金を分配する権限を持っているから、文部官僚の天下り先は国土交通省の官僚の天下り先ポストの比ではない。国立大学は当然として、どこの私立大学にも天下り役人が顔をきかし、補助金獲得に貢献している。

 行政改革で大臣のポストは少なくなっているのであるが、組織そのものは1たす1が2以上に巨大化して、一般予算の規模も大きくなり、ましてや特別予算はますます官僚の闇の中へ隠されてきている。それだけでなく仕事そのもののチェック機構がお粗末となってきている。だから汚職役人の途絶えることはない。
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