民主政治の基本

民主政治の基本
 本日付けの内閣メルガマで、首相は「物事が決まらない時間切れの政治。拒否権を振りかざすだけの政治。目先の政局ばかりを意識して、国民不在の政治闘争を続けることは、参議院の第一党という権力の濫用にほかなりません。」と昨日の党首討論に続いてボヤいている。独裁政治ならいざ知らず、何かの決定には時間とカネがかかるという民主主義の特徴を放棄したいような考え方には賛成しかねる。


 野党の党首に向かって、愚痴やボヤキを連発して、挙句の果てに「権力の濫用」とまで決めつける最高権力者の姿には絶望しか感じ取れない。権力は政権を支配している方にあり、野党側には何も権力などは存在していないはずだ。それが民主政治であろう。

 対立する二つの意見の間で、お互いに歩み寄って中を取って答申をまとめることを妥協というが、これが成立するのはあくまでも対立する二つのグループが、対等な立場にあることが暗黙の前提となっている。政府与党と野党とでは、権力の違いが明らかに異なるので妥協は成り立ちにくいことは自明であろう。

 野党側が政府与党と政策協定をして妥協すれば、一方的に政府与党を利することとなる。10年前の金融危機では時の小渕政権は、野党案を丸呑みすることで生き延びたが、救済案を出した野党側は管代表とともにどこかに埋没してしまったことも記憶に新しい。世の中では、特に大新聞では野党が歩み寄れとの意見もあるが、これをすると野党は総倒れとなることは目に見えている。すでに与党側の揺さぶりでその兆しが見えてきている。
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