食糧輸入停止リスク管理

食糧輸入停止リスク管理
 食糧自給率が40%を切っている現状で、輸入食品が全面的にストップした場合、どのような対策が講じられているのか。不測の要因による食料の供給不足に的確に対処するため、農林水産省では基本的な対応策について有識者から意見を聴取するとともに、関係府省とも連携をとって検討を進め、平成14年3月に「不測時の食料安全保障マニュアル」を策定した。本マニュアルには不測時において講ずべき対策の基本的な内容、根拠法令、実施手順などが示されている。
 
 これによると、米、小麦、大豆、肉魚介類などが不足する場合、政府は備蓄の放出や価格監視を実施する。この段階をレベル0と呼んでいる。これらの食品の供給量が平常時の8割を下回ると予測されると、レベル1となり、耕作放棄地での増産や買い占め防止策を発動する。

 さらに事態が悪化し、供給熱量が1人当たり1日2000キロカロリーを下回るケースはレベル2となり、原野などの開墾をして畑作地とし食糧増産の手を打ち、食料の割り当て、配給など物価統制令が実施される。現在の供給熱量は2500キロカロリーであり、そのうち輸入分が1000キロカロリーだから、輸入が100%ストップしなくても、熱量が3分の1減ると、レベル2の事態となる。

 農地をフル活用すれば、国内だけで2000キロカロリーの確保は可能で、日本国民全員が何とか生きていくことはできるとの楽観的な試算もある。悲観的な試算では、食料と資源の輸入がすべて途絶えたら、国内だけで養える人口は多くて5000万人、最悪のケースでは2000万人という数値も出されている。常々、このようなリスクマネジメントを皆が考えておかなければならない。
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/station/manual.pdf
http://iiaoki.jugem.jp/