映画靖国

映画「靖国YASUKUNI」
 上映騒動で問題となっているが、問題の本質がどこにあるのであろうか。文科省文化庁助成金を出して中国人の監督が作成したドキュメンタリー映画という。文化庁所管の独立行政法人から750万円が助成されているが、文化庁はこの映画を推薦しているわけではないという。問題は自民党の政治家に公開前の事前試写会を文化庁が実施したことにある。これを契機として、右翼の街宣車が出て来て上映中止をする映画館が続出した。
 
 靖国神社も映像の一部を削除するように監督と配給会社に要求している。このことから反戦的で反日的な内容が想像される。民放テレビ局の報道局長たちが連名で強い懸念を表明して、「多様な意見や主張を個々人が自由に享受し、論評・判断できる機会が、理不尽な力や嫌がらせによって奪われることがあってはならない」としている。一連の騒動の裏には、思想や言論の自由に対する抑圧的な動きが潜んでいるようだ。

 5月3日の憲法記念日を前にして、今年は幕張メッセで「九条世界会議」が開催される。タイトルは「世界は九条を選び始めた」という。1999年にオランダのハーグで開かれた平和会議からつながる世界的な動きで、地球市民パワーで対話と非暴力による紛争解決の実現が主題となっている。

 北アイルランド、米国、ケニアなどからノーベル平和賞受賞や世界中から日本人も含めて2万人が集合するという。6月に開かれるサミットへも「九条世界宣言」を提言する。イラクをはじめとして武力による紛争解決への出口が見えない現状に対する世界的な市民運動であるが、このような方法で答えを見つけるのは至難のことであろう。
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