差し戻し控訴審判決

差し戻し控訴審判決
 広島高裁は無期懲役とした山口地裁判決を破棄し、死刑を言い渡した。「復活の儀式だった」とした新供述について「信用できない」としたほか、「むしろ被告人が虚偽の弁解を弄するなどしたことにより、死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情を見出す術もなくなったといわざるを得ない」と裁判長は回りくどく述べた。要するに、これまでの主張を変えたことで、情状酌量の余地もなくなってしまったということだ。


 最高裁からの差し戻し控訴審で新たに結成された被告の弁護団が、死刑廃止論を掲げてこの裁判へ参入して、死刑回避のために被告人の言動を指導したと想定されることは、被告人の利益にとってはかえってマイナスに作用したと思われる。

 弁護団の団長がぼそぼそと言い訳を述べているのに対して、「決して喜ばしいことではないと思っています。厳粛な気持ちで裁判所の判決を受け止めています。遺族としては応報感情が満たされた訳ですから、報われる思いはありますが、ただ、社会にとってみれば、私の妻と娘、そして被告人の3人の命が奪われる結果となったわけです。これは明らかに社会にとっては不利益なことです」と冷静に述べている被害者の夫の姿だけが際立っていた。
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