日本病

日本病の克服
 日の沈む時はないと言われていた大英帝国であった。しかし1980年代では英国病と言われて、1ポンドが限りなく1ドルに近づき、1985年頃には週末になるとNY発ロンドン行きのフライトは買い物客で溢れていた。あれから20年以上たち、1ポンドは2ドルを越えて、英国病を克服しているように思える。4年後のロンドン五輪を目指して、ロンドン市の西部では既に再開発が進んでいる。


 1987年に金融ビッグバンと言われる金融自由化を実施して、金融立国を目指した成果が実ったのだ。今では英国のGDPに占める外国からの投資は40%に達している。日本でのこの数値はわずか2.5%であるから、いかに日本が金融鎖国をしているかが理解される。

 これに輪をかけるように、建築基準法の改定、貸金業界への新たなる規制強化、新SOX法の施行、金融商品取引法施行、投資家への厳しい司法判断、消費者庁の設置などは、霞が関が先導している経済統制が引き起こしているコンプライアンス不況とも言うべき現象が起きているし、起こそうとしている。霞が関の人種による自己保身のための法律施行が日本売りを加速させている。

 自由化をすれば米国のようにますます格差が広がる恐れが指摘されている。しかし考えるまでもなく米国と日本とは社会構造が全く異なるから同列に置くことはできない。米国では過度の市場主義で成功報酬が偏り過ぎていることが原因として挙げられる。日本ではサービス産業の生産性の低下に起因する要素が大きい。金融などへの規制緩和を進めることで生産性が向上し、ここで働く人たちの賃金を上げていくことが可能となる。

 製造業は依然として国際競争力が強いし、これにサービス産業の規制緩和でダイナミックな自由競争を起こして新陳代謝を活発にしていくことができれば、全体としてバランスの良い経済発展が保障されて日本病を克服すことができる。
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