戦略的互恵関係

戦略的互恵関係
 お互いにサミットと五輪開催という大イベントを成功させたいという思いは同じであるが、日本側では年金、医療保険、道路財源など、中国側ではチベット人権、食品安全などそれぞれに国内に難問を抱えている背景も同様である。

 日中間に横たわる東シナ海の資源、餃子事件などについては、何ら具体的な進展はなく、大イベント終了後の将来へと問題の先送りを決めただけである。これを戦略的互恵関係というようだ。さすがに文字の国であるから、中身のなさを形式的な文字で表現することにはたけている。


 国際的に最も関心を持たれているチベットについては、主席は従来の主張を繰り返しただけで、これに対して継続して対話を続けてもらいたいというだけの首相の対応は、中国側のやり方に承認を与えただけである。

五輪を前にしてあえてサミット開催国の日本訪問を予定通り実施した背景には、首相のこの応対ぶりを利用して、チベット問題に対する中国の対応を日本が承認したとのお墨付きが欲しかったのであろう。

戦略的互恵関係
「a mutually beneficial strategic relationship」
胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席
「Chinese President Hu Jintao」
http://iiaoki.jugem.jp/