居酒屋タクシー

お座敷タクシー
 「お国のために、夜遅くまで仕事をしているのだから、帰宅する足にタクシー券を使ってもいいでしょう」と霞が関の官僚は言う。その通りだと思うが、人間は朝9時から始業するとして、タクシー券の使える午前0時半すぎまで、認められた休憩時間を除いて、すべての時間を仕事に没頭できるとは思えない。


 仕事のことを言うなら、時間の長さではなくて、その仕事の結果が問われるべきである。その内容も、公僕として国民に奉仕する内容なのか、省庁や個人の利益となることになっているのかも評価の対象となる。

 財務省でのタクシー利用代金は年間ほぼ5億円という。発表によれば、本省の全職員2680人のうち、運転手から現金や金券、ビールなどの金品を受け取っていた職員は383人という。国家公務員法と倫理規定違反は明らかだ。おそらく携帯で呼び出しのきく特定の個人タクシーだけが関与していたことであろう。

 タクシー券は使用した金額をボールペンで記入することになるが、これは運転手側でも記入できる。そうすると使用したビール代金などを含めた金額が記入されるという、さらなる疑惑が出てくる。何らかのサービスを受けて、乗客はこの記入を認めていることであろう。結局付けはすべて国民の支払う税金に回される。

 タクシー券霞が関だけではなく、国立大学を含めた日本のすべての官公庁で使われている。米国では聞いたことがないから、この制度は日本特有の悪しき慣行と思われる。この際、税金で支払われるタクシー券はすべて廃止するのが適当と思われる。
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