居酒屋からのタクシー

居酒屋からタクシー
 お役人の仕事は暗くなると居酒屋で行われることが多いという。居酒屋タクシーではんなくて、そこでの仕事が深夜にまで及ぶと、その仕事現場にタクシーを呼んで帰宅する居酒屋からのタクシー利用のようだ。赤坂や六本木は霞ヶ関から近いから、会議のために集会を開くのにも便利であろう。


 旧名で通商産業省と呼ばれていた役所出身の官房長官は、通常残業省と自虐的に発言して、いかにも残業が多いことを自慢げに述べていた。米国と比べると日本のホワイトカラーの効率性は70%と言われている。勤務時間が長い割には仕事の成果があまり出てこないということだ。

国会会期中にはいつ呼び出しがかかるか分からないので、どこかで待機していなければならない。実際には委員会などで答弁に立つ役人は局長クラスが多いが、局長は部長に、部長は課長に、課長は係長に、係長は係員にと仕事を命じるから、ほぼ全員待機しなければならない。

 管理人は役人出身ではないが、役所のような大企業に長年勤めていたので、このような仕事の図式がすぐに目に浮かぶ。要するに、答弁用の資料を作成したり、大臣の答弁内容を文書にしたり、首相の施政方針演説などのもとは、すべて大学を出て2〜3年した新米が作成する仕組みなのだ。

長という名の付く人は自分で原稿を書いたり、資料を作成したり、データを多変量解析したりしては、出世できないシステムが官僚制度の特徴なのである。赤ペンを使って、下から上がってきたデータや文書をチェックするのが仕事である。長となっても、自らデータを整理したり、文書を作成するのが好きな人は、役所での出世はおぼつかない。

 そして上にいくほど、ポストが少なくなるから、自ずから同期入社役人の中で取捨選択機能が働き、外に弾き飛ばされるから、それを受け取る器として外郭法人が必要となる。このようにして、現在、天下っている役人は約13万人で、5000近い法人が存在して、毎年12兆円を超す予算が分配されている。いくら民主党などの野党が公務員の無駄遣いを追及しても、明治維新以来、作り上げてきた堅固な官僚組織にはひびすら入らない。
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