エコブームという反エコ

エコブームという無駄遣い
 週末のNHKはほとんどの時間を費やしてエコ一色であった。7月7日のサミットを前にして神戸市で開かれたG8環境相会合では温室効果ガス削減の具体的数値目標すら盛り込めずに閉幕した。「地球を冷やせ、冷やせ」と大合唱した割には、議長を務めた日本の指導力不足は否めない。


 環境保護活動に乗り遅れてはいけないと、主婦たちの間で買い物袋の「エコバッグ」が大流行している。しかもこれが10万円もする高級ブランド品が続々と発売されている。そんなことに金を使う余裕があるなら、スーパーでもらったレジ袋を何回も使うほうが、よっぽどエコ精神に適っている。

 日本人1人当たりのCO2排出量は年間で10 トンで、国別排出量で日本は、アメリカ、中国、ロシアに次ぐ世界4位である。そこで環境省は4年前に港区に温暖化を啓蒙する科学館「ストップおんだん館」を開設した。これを運営する財団法人日本環境協会は年間7億円もの補助金を受けているが、ここを訪問する来場者は1日に50名程度という少なさという。すべて環境庁天下り組織として設営したもので、環境を出しにした税金の無駄遣い以外の何物でもない。

 日本国中でエコの大合唱であるが、何もしない方がよほどエコに貢献するような気がする。サミットの開かれる洞爺湖のホテルも、国立公園の自然を破壊して建設されたもので、ここで環境をテーマとしたサミットが開催されるというのであるから、天に向かってつばを吐くようなものである。結局はエゴがエコブームを呼んでいるように思える。東京や京都にはサミットの会場はいくらでもある。警備上もはるかに良いはずだ。前首相のコネでここでの開催がきまったようだが、環境破壊も甚だしい。
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