姿が見えない主催国

姿の見えない主催国
 7月4日付けのファイナンシァル・タイムズに「行方不明の日本、顔の見えないサミット主催国」との記事が出された。例によって、英国の記者らしい日本に対する皮肉を込めた内容である。一読しての感想は、西欧諸国から見ると、世界各国の意見を聞きながら方針を作成していく日本流のコンセンサス作りが、いかにも国としての主体性がないとみられていることが明らかだ。以下、簡単に内容の紹介だけをする。

 依然として世界第2の経済大国には変わりはないが、政治的にはどこにあるのか見えないと断言されている。これまでのサミット主催国は、それぞれの独自の特色を出して来ているが、日本では何をメインテーマとしているのか不明という。日本が言う環境は前回のドイツでの主題であったし、前々回の英国ではアフリカ問題を主題としていた。

 ではどうすべきであるかは、最後の方でこのように述べている。発展する中国やインドなどアジアの諸国のまとめ役として、日本のなすべき役割は自ずと明らかで、中国や他の発展するアジア諸国を国際的な秩序の中に組み入れて、相互に安定的なシステムを構築していくことだとしている。

 日本は西欧諸国に迎合するだけでは、まるでコンパスのない国みたいなる。他と異なるという意味のアイデンティティの確立こそ、日本に求められている。このままでは日本は洞爺湖に沈む太陽のようになりかねないと結んでいる。

http://iiaoki.jugem.jp/