おぞましい事件

身の毛のよだつ事件
 北朝鮮南東部の観光地、金剛山(クムガンサン)で、海水浴場の周辺を早朝散歩していた韓国人の女性観光客が北朝鮮兵士に銃で撃たれて死亡した。韓国と北朝鮮による南北共同事業として1998年に開始された金剛山観光である。状況はどうあれ、手ぶらの人を背後から2発の銃弾で射殺したことは決して許されない。


 北側は「責任は全面的に韓国にある」とし、韓国政府は「正当化できない」とする声明を出して、批難の応酬をしている。韓国の大統領は国会の施政方針演説で、これまでの対北強硬路線を弱め、「南北の全面的な対話の再開」を呼びかけたばかりだった。

 北朝鮮では現在、通米対南という言葉で、テロ指定国家解除へ向けての進展する米国との関係を重視して、これを武器として韓国との緊張を高めていこうとするようだ。韓国は米国に対する牛肉輸入問題、日本に対しては竹島領有権問題、そして北に対しては観光客射殺事件と問題山積状態となった。

 東北アジアでの緊張の高まりは、それぞれの国にとって好ましいことではないので、解決の糸口を探さなければならない。日本にとっての頼りの米国が、北に対して融和政策をとっていることを、サミットで認めた首相は許されないであろう。
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