ヤミ献金事件

1億円ヤミ献金事件
 外から見ていると奇妙な事件としか思えない。事件は日本歯科医師会から自民党橋本派に1億円が献金されたことに始まる。この金を宴席で4人の幹部が受け取り、どこにも記載しないことで合意したことが、政治資金規正法の不記載という罪で問われた。4人のうち村岡元官房長官だけが起訴された。1審無罪、2審有罪、最高裁で有罪確定という経過である。
 
 1審の無罪判決で裁判長が「今晩ぐらいは平穏な気持ちでサクラを楽しまれては」と被告に声をかけたそうだが、1審の裁判長もこれは国策裁判だから、いずれは有罪になることを確信していたようだ。裁判では自民党の政治資金の不透明さが問われたが、結局は4人のうちでもっとも影響力の少ない村岡氏に罪をかぶせて蓋をする結果となった。

 各派閥のパーティー券などのあがりは、選挙資金として表と裏に使い分ける永田町の常識が、裁判の経過で明らかにされた。判決では派閥ぐるみの資金隠しと認定したが、亡くなった派閥の長は別として、3人の刑事責任ではなく村岡氏だけが処分の対処となる不自然さは消すことができない。このような裁判を続けていれば、やがては司法権の独立が脅かされることになることを司法関係者はとくと肝に銘じるべきである。
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