風化する北の島と竹島

日本固有の領土
 竹島とは違い北方領土を日本固有の領土と政府は明確に主張する。四島を不法に占拠するロシアの管轄下にあることも否定しているが、四島への入国(日本側は入域)手続きを認めることは、ロシアの管轄権を容認していることになる。毎年、ビザなし交流は続いているが、四島側の税関に提出する手荷物リストを記入しなければならないという。
 
 少なくとも、四島には1945年までおよそ2万人の日本人が住んでいた。その後、60年以上にわたり旧ソ連、ロシアは実効的に支配している。ここで生まれて育った人には、ここが日本の領土であるという意識は全くない。

彼らにとっては、領土問題などは存在していないのであるから、問題の解決などという発想そのものがなくなっているものと思う。だから、交流事業というのは、日本側にとっては、いずれは日本に帰属する島との意識下でのことであるが、ロシア側にとっては、近いのだから日本も参加したらどうかというものであろう。

 竹島についても同じで、ここは韓国軍が実効支配を続けている。日本側の些細な動きに、過度に反応する韓国側の行動を見ていると、ここは韓国固有の領土であることは疑いがなく、領土問題が存在するはずがないとの立場であろう。韓国側の駐留軍に対して、手をこまねいていた日本政府にも問題がある。

国際間では以心伝心などということはなく、黙っていれば、それを認めたことになる。領土問題では話し合いによる平和的な解決などはありえない。そうとなれば、日本は四島も竹島も、このまま永久に日本固有の領土と言い続けるしか道はない。
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