日銀の音なしの構え

日銀は何を考えている
 食料品やガソリンの価格が二桁のパーセントで上昇している。6月の消費者物価指数は10年ぶりに1.9%になり、インフレ懸念が出て来ている。日本銀行は通貨の番人として、物価の安定が最重要課題としているはずだ。入るものは増えずに出るものばかり増加するという異常事態になっているのに、日銀新総裁は黙して語らずでいいのだろうか。せめて記者会見でも開いて「懸念している」とでも言うべきだ。
 
 米国の日銀に相当するFRBの総裁はことあるたびにTVに登場して、インフレ抑制など言葉で説明している。書店には日銀総裁の書いた部厚い本があるとおり、この人は勉強だけはしているようだ。けれどもいくら勉強してもそれを実務で実現する度胸がなければ、所詮はただの学者にすぎない。

 エネルギー、食料、原材料などの資源を海外に頼っている日本としては、この資源高に対抗するために金利を上げて円高に誘導する選択肢が存在する。輸出企業で成り立っている日本としては円高では厳しいとなれば、財務省の仕事であるが、金利高と同時に法人税を下げることも考えられる。2%程度の物価指数では、金利アップは無理だと玄人はいう。

 それならば、から手でもいいから、「インフレにはしない」との決意表明ぐらいはできるだろう。それともインフレにして、日銀も国の借金を帳消しにすることに賛同しているのだろうか。
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