祭典の裏で

平和という祭典の裏で
 新疆ウイグル自治区で州市など地方自治体首長を集めての会議が8月13日に行われた。同区の王楽泉書記は三つの勢力、すなわち「宗教原理主義勢力、民族独立勢力、国際的テロ組織」との戦いを進め、社会の安定を勝ち取るべきとの談話を発表して、長期にわたり生きるか死ぬかの戦いとなるとしている。
 
 五輪を迎えた新疆ウイグル自治区では治安情勢が悪化、緊張した状態が続いている。独立勢力のテロが予想された新疆はチベットと並ぶセキュリティ対策の最重要地点であるが、テロは自治区政府の安全対策をあざ笑うかのように続けて発生している。

 グルジアでは停戦合意がなされたというが、ロシア軍は治安維持の名目で引き下がる気配はない。国連の安全保障委員会では20世紀の冷戦時を彷彿とさせる米露の罵りあいが行われたという。米国のMD配備計画はポーランド政府と協定がなされたが、これに対するロシアの反発は当然のことである。

 北京でのスポーツを通じての戦いの裏で、国際情勢は激しさを増している感がある。誰もが、第3次世界大戦などは望んではいないし、起きるはずもないと思ってはいるが、古来、大戦争は局部の小さな争いが元になっていることにも注意しておかなければならない。

 紛争のネタは、旧共産圏のソ連、ユーゴ、中国内の少数民族の独立意識にあることは明確である。民主化を標榜する国家は、自国内に抱えている少数民族の独立を承認していくことである。これをしない限り、紛争のネタは尽きない。
http://iiaoki.jugem.jp/