母屋を取られて

尻尾が犬を振る
 永田町ではいま「尻尾が犬を振る」という言葉が囁かれている。何も自分で決められない首相の連立与党内での動きである。選挙目当ての景気対策海上給与の継続などの審議のための臨時国会開催時期を巡る駆け引きが始まっている。与党の座にしがみついていたい公明党は、いまや泥船状態となりつつある自民党とのしがらみをどのようにして、断ち切るかに腐心しているように見える。


 公明党という補強薬を飲んだ自民党は、今ではこの強心剤とも言うべき薬なしで選挙を戦うことができなくなってしまった。まさに、この薬は自民党にとっては生命維持装置以上の役割をしていることになる。これに対して、自民党内での批判も高まり、業界誌によると、自民党のある幹部が今の内閣を「愚図」と酷評したなどと伝えられている。

 公明党にとっては重要な来年6月の都議会選挙を控えて、年内解散を視野に入れて弱腰首相への圧力を強めているようだ。焦点は補正予算の規模と新テロ特措法であろう。選挙で絶対的に不利となる新テロ特措法は承認できないので、自民党が再可決の方向を出したら、連立へ割れ目がはいるかもしれない。

 「支持率が20%を切ったら党内から態勢立て直しの声が出てくる」と公然と前閣僚がテレビで話していた。この声がだんだんと高まり、近いうちに堰を切ったようになってくるように思う。何が何でも政権維持をしたい自民党公明党はなりふり構わず、あの手この手で民主党や他の政党の切り崩しを策謀してくるであろう。軒を貸したら、いつの間にか母屋を取られていたという例え話になりつつあるように思う。
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