分散型五輪方式の提案

吹き荒れた旋風 分散型五輪方式の提案
 五輪の華は校庭での運動会と同じように、最も原始的なスポーツである駆けっこである。短距離と長距離があるが、北京では駆けっこのすべての種目が地球上の二つの地域で独占された。マラソンは今や1万メートルの延長上という高速になり、優勝者の1万メートルの途中計時では、日本記録を1分近く上回っている。真夏のマラソンでは驚異的な記録である。ケニヤ出身のこの選手は仙台にある高校を卒業して、トヨタ自動車九州に就職していたが、五輪前に辞表を出していたという。
 
 5千メートル以上の長距離では、すべてケニヤ、エチオピアなどのアフリカ大陸の選手がメダルを独占したのに対して、短距離ではジャマイカなどカリブ海に浮か島国の選手の活躍が目立っていた。小さな島であるから短距離に向いていて、アフリカの広大な大地は長距離に適した風土なのであろうか。駆けっこでもバトンタッチという技術的要素のあるリレー種目では、上位国の失格という棚からぼた餅の幸運もあったが、工夫次第では日本でも勝てる可能性が示された。

 今回の五輪を総括すれば、人類の生存環境すら脅かされている中で、4年に1度とは言え、世界中から人が集まってスポーツをするという祭典の意味はもう失われていると思う。そしてメダル争いという国別対抗というシステムも、選手が国籍を移動して他国から参加したり、自国出身以外のコーチが指導したりすることから、その意味が問い直されてしかるべきであろう。

 ビジネスの世界ではすでに、集中から分散へとシステム変更が著しい。この考えを引用すれば、五輪の全種目を4年に一度1か所に集まって競技するのではなくて、種目を4分類して、毎年、それぞれ世界の決められた都市で1分類ごと開催するという分散型五輪方式を提案しておきたい。こうして規模を小さくすることで、世界のどの国でも公平に五輪を開催することができるようになる。ジャマイカでは陸上に特化した五輪を開催することもできる。
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