軽薄短小社会

軽薄短小な候補者
 1975年頃の日本で流行った言葉に、重厚長大から軽薄短小へという産業動向を表すものがあった。鉄鋼、造船、土木建築などの産業から、半導体などのエレクトロニクスやコンピュータなどのIT産業への転換を表すものであった。それから30年たってみると、確かにその方向で産業は転換してきている。たとえば、東京都のGDPシンガポールの2倍であるが、その80%はサービス産業から成り立っている。


先進国は押し並べて同じ様な産業構造へと発展してきている。産業だけのことではなくて、社会システムそのものも、短くて軽いものに変換している。企業への新入社員の定着率は確実に短くなっているし、首相の定着率まで若者の定着率と同じように短くなってしまった。その理由まで似ていると思う。例えば、意地悪をする人がいる、向かないから誰か別の人に代わってもらいたい、などと無責任は極まっている。

 韓国からの通信で日本に対する痛烈なコメントを発見した。韓国では北に異国の同朋がいるから、どうしても政治を頼りにする国民の感覚がある。だから、BSE問題にしろ、竹島問題にしろ、すぐにかっとなって政治を後押しすることになる。日本人はこちらから見ていると、あまり政治に期待してはいないでしょう。戦後、米国の傘のもとで、日本の社会は韓国よりも平穏な暮らしが維持されてきているからだ。

 首相になる人も、そう思うと首相の座なんて何時でも投げだせる軽いものと思っているようだ。軽くてフワフワしたものは取り扱いにくいことも確かだ。5人の総裁候補が出て来ているが、どう見ても、重厚長大社会での三角大福と比べると、いかにも軽そうに見える。

 最も総裁に近い人は、アキバでも人気があり、愛読書がマンガということであるし、まがった口からは軽い言葉が既に飛び出して来ている。愛読書は嘘でもいいから、少なくともカントとかハイエクなどと言ってもらいたいと思っている。
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